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2013-09-20

VICTORY Tour '84 (日文)

VICTORY Tour '84 

來源:mjfcmoonwalk.com



夕闇せまる蒸し暑い夜。いよいよジャクソンズの3年ぶりのステージが開幕を迎える。
 光り輝く人工照明のもと、高まる期待と緊張、今か今かと待ち望む、数万人のロック・ハングリー・ファン。1分経過する毎に雰囲気はじりじりと耐え難い。まるで1分が1年かのように感じられ、耐え切れなくなった人々はジャンプしている。興奮のあまり、あちこちからすすり泣きも聞こえる。
 マイケル・ジャクソン。
 ポップス界の神にも似た奇跡の王様が目の前に現れるその瞬間を、固唾を飲んで待ち続ける。
  そして、突如スタジアムのライトが消えた  当時のコンサート・レポートより抜粋

 
 '84年、5ヶ月間にわたって行なわれたジャクソンズの 『VICTORY Tour』。
 このステージを “生”で観ることの出来た幸運な人は、日本にはいったい何人いるのでしょうか。 当時、12月のLAツアーが50万円で企画されたとの話もありますが、時を戻せるものなら いくら出してでも観たいよ~っ!という方もきっと少なくないのではと思います。
 あれからどんどん時間は過ぎ、マイケルの超人的なカッコ良さと美しさにはますます磨きがかかり、歌も踊りも果てしなく洗練されてゆき、勿論そんなマイケルが大好きだけど、それでも 「あの頃のマイケルが死ぬほど好きっ!」 という方も少なくないはず。

 当時、全ての記録を塗り替えた史上空前のスーパー・ショウ、今となっては “伝説” と化している 『VICTORY Tour』。
 あれから10年の節目ということで、この機会にステージ内容やいろんなエピソードの紹介等も含め、まとめて振り返ってみたいと思います。 【※当時の冒頭文より】

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= set list =
( 演奏曲目 )



  1. Wanna Be Startin' Somethin'
  2. Things I Do For You
  3. Off The Wall
  4. Ben (イントロのみ)
  5. Human Nature
  6. Heartbreak Hotel
  7. She's Out Of My Life
  8. Let's Get Serious
  9. You Like Me Don't You



  1. Tell Me I'm Not Dreamin'
  2. MEDLEY : I Want You Back / The Love You Save
  3. I'll Be There
  4. Rock With You
  5. Lovely One
  6. Workin' Day And Night
  7. Beat It
  8. Billie Jean
  9. Shake Your Body (Down To The Ground)

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= stage =
( ステージ・レビュー )




 「僕は、なかなか自分のパフォーマンスに満足することが出来ないんだ」
と語るマイケル。
しかし、ひとたびステージに上ったマイケルは、その言葉が信じられないほど完璧で自信に満ち溢れているように見える。
 身体の直線的なライン,しなやかな脚,宙を切る腕,そしてどこか遠くを見ているような 神がかった表情。 額にかかる髪の毛までがセクシーで、その動きからは目が離せない。
 兄弟とともにステージに立っていても、マイケルは、既にそこから遠く掛け離れている気がする。 前衛的なダンス,完璧なライン。
 誰もが 『マイケル』 から目が離せない。

 オープニングで、マイケルはサングラスを外す。
 そして、やがて彼のシンボルと言える白い手袋をも脱ぎ捨てる。
 ステージで、彼は自分の全てをさらけ出す。



 "Off The Wall" で、マイケルは初めて笑顔を見せる。
 「僕は新しい曲が好きなんだ」
と語り、 "Human Nature" の幻想的なパフォーマンスを観せる。


 "She's Out Of My Life" ではステージの端に腰かけ、涙を見せる。
 その一挙手一投足に観客は目をこらし、絶叫する。


"Wanna Be..." から "Lovely One" まで、マイケルの衣装は基本的に同じ。
白っぽいスパンコールの上着の下に白シャツ、黒ズボンorシマシマズボン。



彼らのステージの名物 『小芝居』 も有


ワーキン衣装の着替えも済み チャージしつつ出待ち中


 巨大なクモに襲われた後、マジックでステージから消え去るマイケル。
一部ファンの ドS心をくすぐるエグい演出が、今ではなかなか新鮮


 マイケルが宙に消える大掛かりなマジックの後は、観客の熱狂がピークに達する。
 いよいよ "Beat It" の登場!
 マーロンとともに 一瞬にしてステージの高台に現れたマイケルは、まばゆいばかりのライトとスモークの中 両腕を天に突き出し、鬼神のごとく立ち尽くす。 天を仰ぎ見るマイケルからは、全身にみなぎるオーラを感じる。

 アップテンポで次々ステップをキメる中、ハイライトシーンではプロモーションビデオのステップを独り再現してみせる。 身体が宙を泳ぎ、次の瞬間には気持ち良いほど定位置にキマる。
 文句なく、カッコいい。


熱狂の渦、"Beat It"!!  クレーンを取り入れたのは '87年になってから


ダラス2日目の7月14日、同曲のオリジナル・ギタリスト=エディ・ヴァン・ヘイレンが飛び入り

 まさに 『ダンスの申し子』 と言えるセンスと身のこなしは、続く "Billie Jean" で頂点に達する。
 未だかつて、ステージでこのようなステップを踏んでみせたアーティストが存在しただろうか?
 マイケルは今まさにここで、月の上を歩いてみせる。 誰もが我が目を疑い、その一瞬が再び訪れるのを息を潜めて待ち続ける。
 何も仕掛けはない。 ただ、マイケルの体がそこにあるだけだ。


崇高なまでにモノトーンのハマる、圧倒的なカリスマ性を発する "Billie Jean"
 

 ステージのライティング,コンピュータ仕掛けのトリック,レーザー光線。 全てが完璧な中に、よりいっそう完璧なマイケルがいる。
 『VICTORY Tour』 は、間違いなく 10年に一度あるかないかの、歴史に残るステージである。


兄弟とのコンビネーション,そしてエンディングへ


最終日12月9日、LAでの "Shake Your Body" で、マイケルはジャクソンズ脱退を発表


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= episode =
( よもやま話 )




  • プロモーターとのトラブルから、当初6月22日に予定されていたツアー開始が 7月6日まで延期。
    さらにチケットの販売方式も、当初の4枚1組(120ドル)で申し込むメールオーダー方式から、急きょ通常のチケットセンターでの販売方式に戻すことを、7月5日マイケル自身が発表。

  • マイケルは、このツアーでの自分の収入を全額寄付することを発表。
    300万ドルとも500万ドルとも言われる金額を、『黒人大学基金』,『キャンプ・グッド・タイムズ』,『TJマーテル基金』 に贈った。


  • アメリカ中の都市の有力者とマスコミが、マイケルを自分の町に呼ぶための署名運動を展開。
    マイケル達の出身地インディアナ州ゲイリーでも、市長を中心に3万人の市民が請願する騒ぎ。
    レーガン大統領までがワシントンでのコンサート開催を依頼したほど。

  • VICTORY Tourの進行に伴い、空前のマイケル・ブームが異常とも思える高まりを見せる。
    ティーンエイジャー達は我れ先にとマイケルグッズを買い求め、ニュージャージー州の高校ではマイケルの白手袋の着用禁止令を出すに到った。

  • ツアー・オープニングの都市カンザスシティでは、3日間のステージで 13万5,000人の史上最高動員記録を樹立。

  • フロリダ州のジャクソンヴィルでは、3日間のショウ期間中に 700万ドルの利益を上げた。
    その殆んどは、ツアー観客たちによる宿泊費・飲食費・ガソリン代等。

  • ステージは、原則として毎週木・金・土の3日間公演。 日曜は宗教的理由からナシ。

  • NY公演では、治安や悪質なダフ屋の取り締まりのため、公演当日は総勢2,000人の警官が動員された。 会場周辺は騎馬警官で囲まれ、チケットを持たない者は近づくことさえ出来ないほどの厳重警備が敷かれた。


  • 8月のテネシー州ノックスヴィルでのコンサートを中止するようNY市警宛てに脅迫電話が入るといったアクシデントも。
    事件未解決のため、大事をとってノックスヴィルでのコンサートはキャンセルされてしまった。
     
     【※編集より訂正
    脅迫事件と豪雨により、ノックスヴィル1日目は初めてチケット完売せず。
    ただし売上枚数としてはそれまでで最高であり、2日目・3日目に到っては完売、コンサートも無事行なわれた。

  • コンサート会場では、ジャクソンズのグッズのみの販売となったのとは対照的に、レコード店やショップでは圧倒的にマイケルのみのグッズが展示されていた。

  • マイケルはツアー中に1度、極度の疲労と脱水症状で病院に運ばれている。
    ツアー開始前には63kgの体重が53kgまで落ちたという話も。

  • VICTORY Tourの総売上は 6,000万ドルと言われ、それまでの最高記録だったローリング・ストーンズを大幅に抜いて記録更新。
    米フォーチュン誌による 「'84年の10大成功ビジネス」 の第4位に、VICTORY Tourが挙げられる。 ちなみに1位はLA五輪で、1億5,000万ドル。


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= schedule =
( ツアー日程 )




Kansas City,
MISSOURI
Arrowhead StadiumDallas,
TEXAS
Texas StadiumJacksonville,
FLORIDA
Gator BowlEast Rutherford,
NEW JERSEY
Giants StadiumNew York City,
NEW YORK
Madison Square GardenKnoxville,
TENNESSEE
Newland StadiumDetroit,
MICHIGAN
Pontiac SilverdomeBuffalo,
NEW YORK
Rich StadiumPhiladelphia,
PENNSYLVANIA
JFK StadiumDenver,
COLORADO
Mile High StadiumMontreal, Quebec
CANADA
Olympic StadiumWashington D.C.RFK StadiumPhiladelphia,
PENNSYLVANIA
JFK StadiumToronto,
CANADA
Canadian National
Exhibition Stadium
Chicago,
ILLINOIS
Comiskey Park StadiumCleveland,
OHIO
Municipal StadiumAtlanta,
GEORGIA
Fulton County StadiumMiami,
FLORIDA
Orange BowlHouston,
TEXAS
AstrodomeVancouver, B.C.
CANADA
B.C. PalaceLos Angeles,
CALIFORNIA
Dodger Stadium
  1984 CITY STADIUM
1 07/06
2 07/07
3 07/08
4 07/13
5 07/14
6 07/15
7 07/21
8 07/22
9 07/23
10 07/29
11 07/30
12 07/31
13 08/04
14 08/05
15 08/07
16 08/08
17 08/09
18 08/17
19 08/18
20 08/19
21 08/25
22 08/26
23 09/01
24 09/02
25 09/07
26 09/08
27 09/17
28 09/18
29 09/21
30 09/22
31 09/28
32 09/29
33 10/05
34 10/06
35 10/07
36 10/12
37 10/13
38 10/14
39 10/19
40 10/20
41 10/26
42 10/27
43 11/02
44 11/03
45 11/09
46 11/10
47 11/16
48 11/17
49 11/18
50 11/30
51 12/01
52 12/02
53 12/07
54 12/08
55 12/09


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= data =
( ツアーデータ )




 全ての面で空前のスケールを誇った 『VICTORY Tour』。
 そのステージも前代未聞の巨大なもの。 奥行き80m・幅120m、両サイドのP.A.部は左右30mにも及ぶ。
 この規模は、照明も含め 『BAD Tour '87』 をはるかに上回るものであった。


観客たちはやがて、歴史の証人となる。



 ■コンサート回数 57回 【※編集注: 実施は55回。 振替公演なしの完全中止2回,ただし「初めから予定にない2回」。】
'84年7月6日のミズーリ州カンザスシティ『アロウヘッド・スタジアム』を皮切りに、12月9日のカリフォルニア州ロサンゼルス『ドジャー・スタジアム』まで5ヶ月間、カナダを含む全米21都市をツアー。
 ■観客動員数 300万人
 ■チケット 28ドル
当初はカラー印刷の特製チケットだったが、後半はコンピューター端末の印刷に変更。




ダラス / クレーブランド / ミシガン / ニュージャージー / デンバー / トロント / シカゴ / LA

 ■売上収益金 200億円以上
 ■スタッフ 1公演につき 1,500人
各機材担当・セット組立・セキュリティ人員など。




ツアー・クルーの面々

 ■ステージ 高さ・奥行き80m,幅120m
スタッフ昇降用に、前後左右に5基のエレベーター設置
 ■総重量 375トン
うち27トンは吊り下げ。それまで、かつてない大規模コンサートと言われたデヴィッド・ボウイの場合で45トン。先日(※当時)のマドンナのステージは68トンであった。
 ■電源 2基で 18,000アンペアのジェネレーター
通常のコンサートの3倍以上の電力消費を賄なうため。
 ■スピーカー 特製大型スピーカー 240台
 ■ライト 2,200個
全てコンピューター制御。セッティング用に4台の専用フォークリフトがあった。
 ■コンピューター 7台
レーザー,音響,ロボット用




森の木立を描いた布はオープニングの演出のため。2曲目からは下に落ち回収される

 ■水 毎分 110リットル
レーザー・オペレーション冷却用
 ■ドライアイス 1公演 900kg
スモーク用
 ■トレーラー 100台
全ての機材運搬用に、100台近くが5ヶ月間 全米各地を移動。




ダラスにて2度目のサウンドチェック中のマイケル


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= program =
( ツアーパンフ )
全ページは載せられませんが、マイケルのスチール写真は網羅してあります。
クリックすると別ウィンドウに 縦768pxlサイズで表示される画像もあります。











  ↓は 上のアウトカット (※ツアーパンフ未掲載)






  右側はアウトカット (※ツアーパンフ未掲載)↑






 スナップ写真のページも有 (※マイケルは2枚のみ)


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= books =
( 写真集・特集誌など )
一部に過ぎませんが、『VICTORY Tour』 を扱った書籍の表紙のみ掲載します。
編集の都合上、各書籍間のサイズ比は現物に沿っていない事をご了承下さい。























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 今回の 『VICTORY Tour』 特集、いかがでしたか?
 まだまだ使い切れない資料や写真はたくさんあり その全てを載せることが出来ないのが残念ですが、ツアーに関する より詳しい内輪話などはファミリーそれぞれの自伝等に書かれてあります。
 
 当時のマイケルの心境やファミリーの思惑とは全く別に、やっぱり 『VICTORY Tour』 って歴史的なスーパーショウだったんだなぁ…と、まとめ終わって改めて実感しています。
・・・ END ・・・



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